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痛風を予防するにはどうすればいい?発作を起こさないための9つの自力対策法。

風が吹いても痛いという痛風は、飽食の時代のサラリーマンの現代病といわれています。痛風発症の原因は尿酸なので、定期検診の尿酸の値に常に注意しておくことが大切です。

ただ、いったん上がってしまった尿酸値を下げることは簡単ではなく、食生活の見直しや肥満解消などの生活習慣の改善が必要になります。

ここでは、痛風と尿酸の関係、病気が起こるメカニズム、および痛風を予防するための対策について説明します。

 

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痛風に注意するように指摘された。。

会社の健康診断で「尿酸値が高いから、痛風に気をつけなさい」と注意される男性が増えています。「とうとう来たか!」という人も、「痛風ってなに? 尿酸値ってなに?」という人もいるでしょう。

もともと痛風は西洋に多い病気であり、明治時代の日本に痛風患者は殆どいませんでした。ところが、高度経済成長期以降、食生活と生活習慣が欧米化するにつれて日本の痛風患者数は急増し、現在では30~50代の働き盛りの男性の3~5人に1人は尿酸値が高いといわれています。痛風は日本の男性の誰もがなる可能性のある病気になったのです。

痛風の原因は血液中の「尿酸」です。尿酸は「プリン体」という物質が肝臓で代謝されるときにできる老廃物、いわば燃えカスです。

健康な状態では、プリン体の分解で産生された尿酸は血液中に溶けて腎臓へ運ばれ、主に尿から排泄されて体内で尿酸量はバランスが保たれています。しかし、体内の尿酸が増え過ぎたときや腎からの尿酸の排泄が低下したときに、体内に尿酸が溜まってしまいます。

血中尿酸濃度(血液100ml中に含まれる尿酸の値)は、成人男性で3.5~7.0mg/dL成人女性で2.4~5.8mg/dLが平均です。女性の尿酸値が低いのは、女性ホルモンが関係しているからといわれています。

尿酸値が7.0mg/dL以上になると、「高尿酸血症」と診断されて注意を受けます。尿酸値が高くなればなるほど痛風発症率が高くなるので、8.0~8.5mg/dL以上の人には尿酸値下降薬の投与が行われるケースが多いです。

高尿酸血症は自覚症状がないので、「そのうち勝手に下るだろう」と放置している人もいますが、尿酸値が自然に低下することはありません。高尿酸血症の人は、いつ痛風発作を起こしても不思議ではない「痛風予備軍」なのです。

だから、痛風を予防するには、痛風が起こるメカニズムを理解して適切な対応をすることが大切です。

 

痛風ってどんな症状? 発作が起きるメカニズムとは。

痛風とは、ある日突然、ぶつけた記憶がないのに、足の指や関節が赤く熱を持って腫れ上がって、動かしただけで激痛が走る怖い病気です。

痛風の原因は尿酸の結晶です。血液中の尿酸が増加して7.0mg/dL以上の飽和状態になると、溶けきれなくなった尿酸が結晶化して関節に溜まっていきます。そして、運動やストレスなどの刺激で遊離したギザギザの結晶が関節の滑膜を傷つけ、異物と認識した白血球が結晶を攻撃する免疫反応が起きます。

これが痛風関節炎の発作です。靴を履くことも歩くこともできずに、数日間、激痛に七転八倒することになります。痛風発作は2~3日がピークで、白血球が死滅する10~14日後に自然に収束しますが、痛みが去っても安心はできません。高尿酸血症を改善しなければ、発作は何度でも襲ってくるからです。

高尿酸血症患者の痛風発症率は15~30%程度であり、必ず痛風発作が起きるわけではありません。しかし、痛風発作が起きないからと放置していると、気がつかないうちに身体中で結晶の沈着が進行し、腎不全や脳卒中、心筋梗塞などの重大な病気を併発するリスクが高まります。つまり、尿酸値を下げて痛風を予防することは、さまざまな合併症を予防することにもなるのです。

 

痛風を引き起こす尿酸値が増える原因とは?

尿酸値が上昇する原因には、環境的な要因遺伝的な要因があります。

肥満は高尿酸血症と最も密接な関係があり、体重が増加すると尿酸値が上昇し、痛風を発症するリスクが高くなる事実が研究で判明しています。

プリン体の多い食事をすると、必然的に尿酸生産が増加し、尿酸値が上昇します。とりわけプリン体含有量が多い食材やアルコールは要注意です。ジュースや果汁などの甘い飲料、果物なども尿酸値を上げます。

また、遺伝的要因もあります。生まれつき尿酸の排出能力が弱いために、高尿酸血症になりやすい人がいるのです。痛風を患った家族や親族を持つ人や20代で痛風を発症した人は特に注意が必要です。

その他として、ストレス激しい運動によって、血中の尿酸が一時的に増加します。病気や薬剤の影響で尿酸値が上昇することもあります。

つまり、仕事のストレスが多く、運動不足で、外食やコンビニ食が多く、食事時間が不規則で、つき合いでアルコールをよく飲むサラリーマンの生活習慣が痛風患者が増加した原因といえるでしょう。

 

痛風を予防するには?9つの自力対策法。

高尿酸血症であっても、日常生活に気をつけることで痛風を予防することが可能です。

 

① 食べすぎない

過食で摂りすぎたカロリーは内臓脂肪や皮下脂肪として蓄積されます。特に内臓脂肪は、腹部の腸間膜に蓄積されて、お腹がぽっこりでた肥満体型になります。ウエスト(臍の高さ)の周囲が、男性で85 cm以上、女性で90 cm以上が内臓脂肪型肥満とされています。この内臓脂肪が血糖値や尿酸値に影響を与えるのです。

内臓脂肪が蓄積されると、脂肪細胞から分泌される遊離脂肪酸の量が増加します。その遊離脂肪酸が血液で肝臓に運ばれて中性脂肪に再合成されるときに、同時にプリン体の合成を活性化させます。その結果として、プリン体の代謝が過剰になって尿酸産生が増加し、尿酸値が上昇するのです。

また、内臓脂肪が増えることでインスリンが働きにくくなって、腎臓での尿酸排泄が低下し、尿酸値が上昇することが知られています。

ヒトの身体は、年齢が高くなるにつれて基礎代謝が落ち、内臓脂肪を溜め込みやすくなります。大食いや早食い、油っこい食事を避け、野菜や豆腐の多い食事を1日3食、ゆっくり噛んで食べ、腹八分目で摂取カロリーに気をつけることが痛風予防の第一歩です

 

② 有酸素運動を継続する

肥満解消に最も効果があるのが有酸素運動です。内臓脂肪は代謝活性が高く、溜まりやすい一方、落としやすい脂肪です。だから、定期的に軽い運動を行えば比較的簡単に減らすことができます。

有酸素運動とは、ジョギング、サイクリング、エアロビクス、ハイキング、スイミング、水中エアロビクスなどですが、忙しいサラリーマンには手軽にできるウォーキングやゴルフがおすすめです。

ウォーキングの正しい姿勢は、顎を引いて胸をはって背筋を伸ばし、歩幅を広めに踵から足の裏全体で着地します。歩くスピードに合わせて腕をよく振って、息が少し弾む程度の早足で歩くことがポイントです。

脂肪燃焼に効果的なウォーキングの目安は、時速7 km、1日合計30分、1週間で合計3~4時間です。細切れで1日数回でも、毎日でなく飛び飛びでもかまいません。アメリカで行われた実験で、ランニングの距離が長いほど痛風発症のリスクが低くなるという結果が報告されているので、とにかく続けることが大切です。

しかし、運動のしすぎは逆効果になります。発汗で体内の水分量が減って血液が凝縮され、血中の尿酸濃度が上昇するからです。運動中はこまめに水分を補給するようにしてください。また、サッカーやテニス、短距離走や筋トレなどの息をつめる激しい運動(無酸素運動)は、核酸の代謝を促進して尿酸の産生を増加させるので避けましょう。

エレベーターではなく階段を使う、一段飛ばして階段を上がる、電車はつり革を持って爪先立ち運動をする、一駅手前で下りて歩く、短い距離はタクシーを使わずに歩くなど、普段の生活の中でも身体を動かすことを心がけてください。

 

③ プリン体の多い食事に注意する

食事によって体内へ取り込まれるプリン体は全体の2割程度ですが、プリン体含有量の多い食材を多く摂取すると、尿酸値が上昇し、痛風発症のリスクが高まります。

一般的に、プリン体は肉や魚に多く含まれており、野菜や海藻類、豆類などには少ないです。アメリカで行われた調査で、痛風発作の発症率が肉類の摂取の多い人は1.6倍、魚介類の摂取の多い人は1.5倍も上がるという報告があります。

まず最初に、プリン体を多く含む食材(動物や鶏のレバー・白子・アンコウ肝などの動物や魚の内臓、大正エビ、イワシ、カツオなど)を避けましょう。肉類や赤みの刺身は毎日続けて大量に食べないようにすること、野菜をたくさん摂って油っこいものを控えめにすることを心がけてください。高尿酸血症・痛風のガイドラインでは、高尿酸血症の人は1日のプリン体摂取量を400 mg以下にすることを推奨しています。

また、プリン体は水に溶けやすいので、茹でたり、蒸したり、煮たりするとプリン体摂取量を減らせます。たとえば、肉ならステーキではなく、しゃぶしゃぶにすると食材中のプリン体が減少します。当然のことながら、煮汁やラーメンのスープにはプリン体が溶け込んでいるので、飲むことは避けましょう。

 

関連記事痛風に悪い食べ物まとめ。プリン体だけじゃない気を付けるべき食習慣とは?

 

 

④ アルコールの飲み過ぎに注意する

アルコール自体に肝臓での尿酸産生を促進し、腎臓での尿酸排出を抑制する作用があるので飲み過ぎは禁物です。おまけに、アルコールの利尿作用で体内の水分が減って尿酸が凝縮されますし、アルコールが食欲を増進させ、おつまみを食べ過ぎてしまいます。

特にビールと紹興酒はプリン体が多いので避けましょう。プリン体が少ない日本酒やワイン、焼酎やウイスキーであっても、飲酒を控えめにしてください。週に1~2回、お酒を飲まない休肝日を設けると、痛風になりにくいというデータがあります

 

⑤ 水をたくさん飲む

痛風予防に最も効果があるのが「水」です。水分を十分に摂取して尿量が増えると尿酸が腎臓から排出されやすくなります。起床後、食事前、入浴後、就寝前、運動時など、コップ1杯ずつ1日8~10回くらい、合計2リットルの水を飲むようにしましょう。飲酒の前に水を飲むと、ビールを大量に飲めなくなるので、飲酒量を減らすことができます。

麦茶や烏龍茶などのお茶でも同じ効果があります。果糖やショ糖が多いジュースや炭酸飲料は、尿酸値を上げる作用があり、カロリーの摂り過ぎにもなるので避けてください。

 

⑥ ストレスを解消する

仕事のプレッシャーなどのストレスで心身の緊張状態が続くと、体内の酵素やホルモンに影響を与え、プリン体の代謝が促進されて尿酸値が上昇します。自分に合ったリラックスの方法を見つけて、痛風を予防しましょう。もちろん、ストレス解消のヤケ食いやヤケ飲みは禁物です。

また、正のストレスでも痛風発作を誘発することが知られているので、結婚式やゴルフコンペなどの大きなイベントの前には要注意です。

 

⑦ コーヒーを意識して飲む

アメリカで12年掛けて行われた研究で、コーヒーをよく飲む人は痛風になりにくいという報告があります。コーヒーを1日1~3杯飲む人は10%、4~5杯飲む人は40%、6杯以上飲む人は59%も痛風発作を発症するリスクが下がります。これは、カフェイン抜きのコーヒーでも同じ結果が出ています。コーヒーには利尿作用があって尿酸排泄を助けること、コーヒーに含まれるポリフェノールが尿酸を下げる効果があるといわれています。

カロリーの摂取過剰をを避けるために、砂糖を入れずにブラックで飲んでください。もしくは牛乳を入れてカフェラテにしましょう。

 

⑧ 乳製品の摂取量を増やす

牛乳に含まれるカゼインには腎臓の働きを助ける作用があり、尿酸が排泄されやすくなります。アメリカの調査で、乳製品を多く摂取する人は痛風発作を発症するリスクが40%減少したという結果が出ています。

カロリー摂取量を考慮して、低脂肪牛乳を1日コップ1杯飲むようにしましょう。ヨーグルトでも同じ効果が得られますが、糖分ゼロまたは糖分控えめのものを選んでください。

 

⑨ アルカリ性食品を積極的に摂る

尿酸はアルカリ性の水溶液に溶けやすいという性質を持っています。だから、尿を弱アルカリ性にすると尿酸が排泄されやすくなります。実際に、痛風患者では尿が酸性に傾いている人が多いです。

尿をアルカリ性にする作用を持つ食品は、ワカメ、コンブ、ヒジキなどの海藻類、ジャガイモ、サツマイモなどの芋類、キャベツ、ニンジン、ダイコン、ナスなどの野菜類です。

また、クエン酸にも尿をアルカリ性にできる作用があるので、梅干レモン水を摂取してみてください。市販のクエン酸飲料を飲む、またはクエン酸塩を購入して水に溶かして飲んでも同じ効果が得られます。

 

痛風に良い食べ物、痛風に良い成分など下記の記事で紹介しています。普段の食生活から痛風予防していきたい方はぜひ参考にしてください。

 

関連記事痛風に良い食べ物・飲み物まとめ。痛風対策に積極的に食べた方がいいものとは?

 

関連記事痛風に効くサプリ7選!普段の食事にプラスして手軽に痛風予防・対策を。

 

 

改善が見られない、不安なときは、医師へ相談を。

痛風の予防には、まず自分の尿酸値を把握することから始めましょう。健康診断をきちんと受けて、尿酸値を定期的にチェックすることが大切です。

しかし、高尿酸血症は生活習慣が原因であるケースが最も多く、長期間をかけて増加してきた尿酸値を下げるには時間が必要です。自分で予防の方法を取り入れても、すぐに効果が現れるものではなく、焦らずに長い目でみて生活習慣の改善に取り組まなければなりません。

痛風発作が起きるのが不安な人や尿酸値の改善がみられない人は、医師に相談することをおすすめします。食事やダイエットのアドバイスを受けたり、必要に応じて検査や投薬などの治療を受けたりすることができます。

 

まとめ

尿酸値が高いと指摘された高尿酸血症の人でも、食生活や生活習慣を改善したり、薬を服用したりすれば、痛風を予防することが可能です。

しかし、長年身についた習慣を変えるのは簡単なことでありません。好きな食べ物やビールを我慢し、運動やダイエットで肥満を解消して尿酸値を下げるには、長期間の継続した努力が必要になります。

健康診断で尿酸値が高いと指摘された場合、痛風が起こる前にまず医療機関で診察を受けてみましょう。医師や栄養士の専門スタッフが痛風を予防するための相談に乗ってくれます。

 

関連記事痛風を自力で治す方法!病院に頼らずに自分でできる改善策10選。

 

 

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メンズクエスト編集部

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メンズクエスト編集長:アベル
2018年 日本健康マスター検定エキスパートコース合格

メンズクエスト編集長のアベルです。
体脂肪25%から9.6%までに肉体改造をしたことをきっかけに、その時に実践した食生活、筋トレのことなどの情報をまとめようと思ったのがきっかけでメンズクエストを立ち上げました。

もともと容姿や体型にコンプレックスがあり、カッコよくなりたいという気持ちが人一倍強く、女性にモテるにはどうすればいいかという事にとても敏感。現在は原宿に住みながら、「カッコイイ男」を目指すための、メンズ美容、ファッションや髪型についての最新情報を常にアンテナを張ってリサーチしています。

また、カッコよくなるには健康であってこそという考えから、2018年、日本健康マスター検定エキスパートコースを受験し、合格。食生活、運動、睡眠といった正しい健康に関する情報、知識を取得しました。最新の正しい健康情報を見極めて記事を監修しています。

カッコいい男性を日本中に増やすべく、これからも役立つ情報を発信していきます。

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