筋肉痛のときって筋トレしていいの?筋肉痛時のおすすめの過ごし方や回復方法を紹介!
普段使わない筋肉を使ったときなどに起こる「筋肉痛」。
筋肉痛は、体を鍛えた証拠なので、決して悪いことではありません。
とはいえ、やっぱりあの痛みは運動の継続を妨げる大きな原因でもあります。
また、筋肉痛が起きているときに筋トレをしていいのかどうか迷ったことはありませんか?
今回は、筋肉痛になった時の対処法、できるだけ早く癒やすための過ごし方や、回復方法を紹介しようと思います。筋肉痛を早く治す方法を知り、快適に運動や筋トレをしていきましょう。
Contents
筋肉痛ってなぜ起こるの?筋肉痛のメカニズムについて。
そもそも、なぜ、「筋肉痛」は起こるのでしょう。そのメカニズムや対処法などを解説します。
筋肉痛には、「即発性筋肉痛」と「遅発性筋肉痛」の2種類があります。
「即発性筋肉痛」は、運動した直後に生じるもので、疲労物質の蓄積などによって起こるものといわれています。
疲労物質とは、「乳酸」とそれと一緒につくられる「水素イオン」です。それによって筋肉が極度に酸性になる事が原因だと言われています。重い、だるいような痛みが特徴です。瞬発的な動きや、力強い動きをしたときに起きやすいようです。
「遅発性筋肉痛」は運動後1~3日後に生じるもので、筋肉の損傷によるものといわれています。
細かく説明すると、運動や筋力トレーニングで筋肉に負荷をかけると、筋肉繊維に小さな傷ができ、そこが炎症を起こします。炎症が起きると痛みを生じさせる物質が生成され、それが伝わることで筋肉痛が起こったと認識するようになるのです。
筋肉痛は、広義には肉離れなどを含みますが、一般的には運動後、数時間から1、2日で生じる「遅発性筋肉痛」のことを指します。
つまり、筋肉痛とは、「普段使わない筋肉を突然使ったり、同じ筋肉を使いすぎたりすることで、筋肉を構成している筋線維や周りの結合組織に微細な傷がつき、傷ついた筋線維を修復する過程で炎症が起き、生成された刺激物質が筋膜を刺激して起こるもの」と考えられています。
次に「筋肉の使い方」ですが、、筋トレの区分分けの中に、筋肉の活動様式で分けるというものがあります。その区分けは、大きく3つに分けられます。
- ① アイソメトリック収縮(等尺性筋収縮・長さを変えずに力を使う)
- ② コンセントリック収縮(短縮性筋収縮・筋肉が縮みながら力を使う)
- ③ エキセントリック(伸張性筋収縮・筋肉が伸びながら力を使う)
つまり筋肉の使い方には3種類あるということです。
筋肉トレーニングに限らず、運動のは基本は②コンセントリック収縮と、③エキセントリック収縮がセットになっています 。 歩くこともコンセントリック収縮とエキセントリック収縮運動の反復で成り立ってい ます。
例えば、腹筋ですが、体を寝かせた状態から上体を持ち上げることによって、腹筋に負荷をかけますが、この場合は、体を縮めているのでコンセントリック収縮になります。そこから体を元に戻しますが、これがエキセントリック収縮です。この2つの運動を組み合わせたものが腹筋運動という事になります。アイソメトリック収縮とは関節運動が伴わない運動のことで、筋肉が伸びたり縮んだりしない運動です。
この中で最も筋肉痛になりやすいのが、エキセントリック収縮です。
例えばベンチプレスの場合、バーベルを上げるのではなく、下ろす動作で筋肉は傷つきやすく、山登りなら、登るよりも下りる事で起こりやすくなります。スキーの後に筋肉痛になるのもエキセントリック収縮によるものです。これは「ブレーキング動作」とも言われています。
この筋肉痛ですが、運動や筋トレで傷ついた筋繊維はやがて修復され、それまでよりも少しだけ太く強くなります。この時、修復されて筋肉が強くなる事、成長する事を「超回復」と言います。こうしたことを繰り返していくことで、筋肉の量が増え、太く大きくなる事(筋肥大)で、より丈夫で力強い筋肉になっていきます。
運動や筋トレは、この「超回復」のタイミングをみて行うことが大切です。
「超回復」の状態に戻るまでの時間は、トレーニングの強度や密度、個人差によって大きく違ってきますが、最低でも48時間は必要とされています。また、筋肉の場所・種類によっても違い、大きな筋肉群(上腕三頭筋・肩の三角筋・背中の筋肉広背筋・大胸筋・大腿四頭筋など)では72時間くらいかかる場合もあるようです。
筋肉痛のときは筋トレを控えたほうがいい
筋肉痛が出ている間は、まだ筋繊維の修復が終わっていないことを示しています。
よって、効率よく筋トレをするためには、「超回復」をしてから行うことが望ましいといえるでしょう。
上記に記したように、個人差もありますが、「超回復」には約48~72時間ほど必要とされ、1つの筋肉をトレーニングしたら、丸2日は完全休養したほうが効率的です。「超回復」は筋トレを再開するときの目安としても活用できるのです。
では、なぜ、筋肉痛が出ている間は、筋トレを控えた方が良いのでしょう?
それは、筋繊維が傷ついている状態でトレーニングを行っても、筋肉の量が増え、太く大きくなる事・・つまり筋肥大が起こりにくいためです。この状態で筋トレを行っても、オーバーワークとなり、かえって筋肥大の妨げにもなってしまいます。
また、筋肉痛が起きるほどの筋トレは、筋力・筋肉が付いている関節の可動域にも影響を与えます。これまで以上の筋肉を身につけたい場合には、筋肉だけでなく可動域も回復させてからトレーニングをすると効果的です。
適切な休息をとらずにトレーニングを続けると、損傷や疲労に回復が追い付かず、ケガの原因や筋力の低下を招くこともあります。オーバーワーク防止、また筋力ダウンを防ぐためにもしっかりと休息をとるようにしましょう。
それでも体を動かしたい場合は、こんなトレーニング方法がおすすめ!
回復させる事がいいとわかっていても、頻繁にトレーニングをしたい場合には、以下の方法を試してみてください。
① 部位別に鍛える (筋肉痛が起こってない箇所を鍛える)
筋肉痛が起こっていない部位を変えて行うことでできるトレーニング方法です。例えば、腕をトレーニングした翌日は背中を鍛えるなど、日毎に鍛える筋肉を変えてトレーニングすることで、筋肉痛が起こっている部位をしっかり超回復することができます。
② 低重量・高回数の筋トレをおこなう
筋肉痛を起こすのは、高重量を少ない回数で運動をした場合が多いようです。軽めの負荷で回数を多くすると、筋肉を増やす過程をなるべく邪魔せず、鍛えることができます。
最近の研究でも低負荷高回数の筋トレでも高負荷低回数と同程度に筋肥大は可能であることが示唆されました。また、低重量・高回転の筋トレは高重量・低回転での筋トレに比べて、関節への負担も低いため、怪我のリスクも低くなります。
低重量での筋トレの場合、速いスピードで行った方が効果が上がると思われがちですが、ゆっくり行っても効果は変わりません。
③ チューブやボールを使ったトレーニング
チューブ筋トレはチューブの伸縮性を負荷として利用するトレーニングです。自分の筋力に合わせて強度を決めることができ、いろんな運動に併せて使用できます。バランスボールは「弾力性のあるボール」というシンプルなアイテムなので色んな使い方ができます。
ボールを使うことによって得られるいちばんの効果としてはインナーマッスルの強化です。
これはボールという不安定なものに体を預けることでどうにか体を安定させようと力が入り、インナーマッスルが鍛えられるからです。他にも、体のゆがみを改善したり、バランス感覚を鍛えるのにとても効果的です。
このように、チューブやボールを使う事で慣れやマンネリを防ぎ、よりトレーニングの効果が上がることも期待できます。
④ 有酸素運動
筋力トレーニングは短時間で運動強度が高いもの(高重量・低回転)で筋肉量を増やし基礎代謝を高める運動です。筋肉を動かすためのエネルギーを、酸素を使わずに作り出すことから「無酸素運動」と呼ばれます。
これに対し、「有酸素運動」とは、長時間継続可能な軽度または中程度の負荷を継続的にかける運動のことです。酸素を使って、筋肉を動かすエネルギーである脂肪を燃焼させることから「有酸素運動」と言われています。水泳、ジョギング、ウォーキング、サイクリングなどがあげられます。 「有酸素運動」は、脂肪がエネルギー源となるため、10分を3セットなど小分けに運動すると脂肪の燃焼効率もアップします。
筋肉痛を早く回復させる方法!
ひどい筋肉痛をできるだけ早く回復させたいときは、こんな方法を試してみて下さい。
① アイシング
アイシングとは、氷や水などを用いて身体を局所的に冷却することを言います。スポーツにおいては、運動後の疲労蓄積・筋肉痛を軽減させたり、負傷した時の応急処置のためにも行われます。
アイシングを行うことで炎症を抑え、疲労の蓄積を抑えることができます。また、患部を冷やす事で、血流が抑制されて、痛みを伝える神経を麻痺させて痛みを緩和してくれます。
注意点としては、患部を継続して冷やし続けないようにすることがあげられます。1回20分程度を目安に、1日数回に分けて行うようにしましょう。筋肉痛の原因となった運動の終了後、48時間以内がアイシングが有効であると言われています。
② 温冷浴
運動終了後48時間以上が経過した場合や、運動前の準備運動などに効果的なのが「温熱療法」です。温めたタオルやカイロを薄い布で覆って患部に当てたり、みぞおちの辺りまでお湯をはった湯船に浸かることで、筋肉痛を回復してくれます。
温めることにより血管が拡張し血流量が増え、疲労物質である「乳酸」が除去されやすくなり、損傷した筋繊維を回復させるための酸素・栄養が届けられやすくなり超回復が早まるためです。
その「温熱療法」を発展させた方法が、「温冷浴」です。「温冷浴」とは、簡単に言うと温かいお湯(42℃前後の温水)と冷たい水(15〜20℃の冷水)を交互に浴びる入浴法のことです。ただ温かくするだけの「温熱療法」よりも、さらに疲労回復・筋肉痛治療の効果が望めます。
やり方としては、温水へ1回に3〜5分程度、冷水へ1回に1〜2分程度つかります(シャワーの場合は10~30秒)。これを3〜5セット繰り返します。温水と冷水に交互につかることで、体が刺激され毛細血管が伸縮します。その結果、血流が促進されて、乳酸などの疲労物質をより早く体外に出してくれるのです。
しかし、「温冷浴」は心臓に負担がかかるため、心臓が弱い方や血圧が高い方には注意が必要です。また、効果があるからと言っても、長時間行うほど効果が上がるということでもありません。適度な長さで無理をせずに行うようにしましょう。
③ ストレッチなどの軽い運動
筋肉痛になったら、痛みや、痛みの悪化の懸念により運動を控えがちですが、上記に記した軽い有酸素運動なら筋肉痛を治すのに効果的です。
また、運動の前後でストレッチを行うことで、血行を促進できるので、筋肉痛を早く治す効果があります。
学校での体育や部活動の前にストレッチをしていたように、ウォーミングアップは、スポーツをする前に身体を温めるだけでなく、実際にはケガや故障を防止するためにも必要な準備運動です。
ストレッチで柔軟することは、筋肉だけでなく心肺機能の準備運動としても必要な動作なのです。
④ 栄養補給
筋肉痛を回復させるために最も重要なことは、栄養をとってしっかり休むことが基本であると言えるでしょう。
おすすめの栄養素は、タンパク質・糖質(炭水化物)・ビタミン・ミネラルです。タンパク質は、傷ついた筋肉を修復してくれます。糖質は運動で消費されたエネルギーを補うための筋肉の分解を抑えるのに使われます。ビタミン・ミネラルはエネルギー効率をよくするため体で消費されているので補給することが大切です。
また、「運動直後に食事から栄養補給した場合は、運動後2時間してから食事で栄養補給した場合よりも、筋肉量が増えている」という研究報告があるように、運動直後に栄養補給するとより効果的です。
運動後にできるだけ早く効率よく糖質(炭水化物)とたんぱく質を補給することで、筋肉痛・疲労回復を早めてくれるのです。
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⑤ たっぷり睡眠をとる
睡眠は、新陳代謝を活発にし、肉体の治癒を助ける成長ホルモンが分泌されるので、筋肉痛や疲労を回復させてくれます。質の良い睡眠をとることができれば、それだけ筋肉痛は早く治まります。深く眠りやすい環境を整えて眠るようにしましょう。しっかりと睡眠をとり、体を休めることは何よりの回復方法なのです。
筋肉痛の回復を遅らせてしまうNG行為
① ストレス
私たちがストレスを感じると、「コルチゾール」と呼ばれるホルモンが分泌されます。コルチゾールは、過剰に分泌されると成長ホルモンの働きを阻害するため、損傷した筋肉の修復が上手くいかなくなってしまいます。
また、コルチゾールが過剰に分泌されると、セロトニン(ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑え心のバランスを整える作用のある伝達物質)やメラトニン( 睡眠の質を高める上で必要不可欠なホルモン)の分泌にも影響します。筋肉の回復や成長にはストレスを上手く解消する事も重要なのです。
② 過度なアルコール摂取
アルコールを分解する為に必要な肝臓ですが、筋トレで疲れた筋肉を修復しているのも肝臓です。特に、筋トレなど激しい運動の後は、肝臓が筋肉の修復を行っているので、そこにアルコールの分解も行えば、肝臓への負担を倍増させることになります。
また、体内のアルコールを分解する際に、大量のタンパク質(アミノ酸)が使われるため、筋肉を修復するためのタンパク質が不足し、筋肉痛の回復を遅らせる原因にもなってしまいます。
しかし、ちょっとのお酒ですぐに筋肉に悪影響が出ることはありません。酒は百薬の長と言う位、精神面などではいい影響を与える場合が多いので、「過度な」摂取に気を付け、大量に飲みすぎないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
日常的に運動を心がけている人と、そうではない人では、やはり筋肉痛になる割合は変わってきます。
筋肉痛になりにくくするには、何よりも運動を生活の一部に取り込むことが大切なのです。
筋肉痛を治すことも大切ですが、その前に防ぐことができたら一番効果的です。
筋力アップのために、十分に休養し、日頃の運動や食事面を考えながら、筋肉痛にならない体作りを心がけましょう。
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