「いびき」はなぜかくのか?「いびき」の原因から対策までを徹底解説!
隣で寝ている人の「いびき」がうるさくて眠れなかったことがある、という経験はありませんか?
相手はぐっすり眠っているし、わざと「いびき」をかいているわけではないので指摘しづらいけど、自分は眠れなくてイライラし、寝不足…。
ですがもしかしたら、あなたもいびきをかいていて相手からそう思われているかもしれません。
この「いびき」による騒音は離婚の原因になることもあるほど実は深刻なもの。さらに「いびき」でわかる身体の健康状態もあります。「いびき」をなぜかくのか、原因と対策を徹底解説します。
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「いびき」はなぜかくのか?
「いびき」は漢字で「鼾」と書きますが、これには「鼻から出る干声」という意味があります。干声とは「大きな音」という意味があり、睡眠時の呼吸による騒音のことを指しますが、そもそもなぜ騒音が発生するのか?「いびき」には「鼻いびき」「喉いびき」の2種類あります。
「鼻いびき」、これは単純に鼻づまりが原因で起こるものです。「喉いびき」は、普段私たちは特に意識せずにも「鼻呼吸」をしていますが、睡眠時は「口呼吸」という人が結構いるようです。
ではなぜ寝ている時だけ騒音が出るのか?
それは気道の広さの違いにあります。起きている時、気道は筋肉により十分な広さが確保されていますが、睡眠時はその筋力が緩みます。舌の付け根あたりの筋肉が緩み、重力で舌が喉の方に下がり、気道が狭くしてしまいます。その状態の気道を空気が進むときに壁面が振動して音が出る、これが「いびき」の仕組みです。ちなみに、「いびき」は人間だけでなく、犬や猫もかきます。仕組みは人間同様です。
日本人の6人に1人はいびきをかいている
日本人の「いびき」人口は約2,000万人。約6人に1人が「いびき」をかいていることになり、とても身近な症状だと言えます。海外(米国、欧米)では1億3,000万人以上と言われています。
「いびき」に関する調査データによると、自分自身が「いびき」をかいているか不明と回答した人は全体の30%もいました。自己認識がない人が多い点と、もし「いびき」をかいていることを認識していたとしても、病院で治療を受ける人が少ないことから、「いびき」人口はもっと多いのではとも言われています。
成人男性の約20%、女性は約5~10%の人が習慣的に「いびき」をかいていると言われており、年齢が上がるにつれて増加傾向にあります。
「いびき」をかきやすい人はどんな人?かきやすい時はあるの?
老若男女問わず、「いびき」をかきやすい人は存在します。「鼻いびき」の場合は、花粉症を含むアレルギー性鼻炎や蓄膿症といった鼻づまり。「喉いびき」の場合は、口蓋垂(のどちんこ)が大きい、舌が大きい、肥満といった要素が挙げられます。いずれも睡眠時に気道が狭くなる原因になるものばかりです。
高齢者の方は筋力が弱いため、睡眠時に気道まわりの筋肉が緩みやすく「いびき」をかきやすいと言われています。また、ひどく疲労している時や飲酒後のような意識レベルが低下している時は舌根沈下が起きやすく、大きな騒音を伴う「いびき」が発生しやすく、普段は「いびき」をかかないような人でもかくことがあります。扁桃腺などの炎症で喉が腫れている時も「いびき」の原因になり得ます。
「いびき」と睡眠の関係は?
かつては「いびきをかいている=熟睡している」といった話もありましたが、「いびき」をかいて寝ている状態の脳波を測定したところ、レム睡眠(眠りの浅い睡眠状態)が確認され、熟睡できていないことが実証されました。実際は睡眠の質を低下させるばかりか、何かしらの病気を患っている可能性もあります。
ただ、「いびき」はその時のコンディションによって変わってくることもあります。例えば、飲み過ぎて一晩中ほとんどかいているケースもあれば、一晩の内の10分間だけかいている、などさまざまです。睡眠時間は十分なはずなのに、朝起きて疲労感が全然抜けていなかったり、口の中や喉が乾燥している、と感じたら数時間は「いびき」をかいて寝ていたと思ってください。
「いびき」は気道が狭くなり、呼吸がしづらくなると発生する「酸素不足」の状態です。この状態が続くと、日中に頭痛がしたり、疲労感が常にあるような生活になってしまいます。つまり、何時間寝ても睡眠の効果がしっかり得られていない、ということになります。
「いびき」に潜むコワイ影
睡眠時無呼吸症候群(SAS)というものをご存知でしょうか?前段で「いびき」の人口について記載しましたが、その内の約200万人がこの「睡眠時無呼吸症候群」と推定され、さらに90%の人が自分が「睡眠時無呼吸症候群」にかかっていると気付いていないと言われています。
「いびき」が引き起こす代表的な症状ですが、読んで字のごとく「睡眠中に呼吸が止まる症状」です。10秒以上の呼吸停止状態が一晩(7時間の睡眠)に30回以上、または1時間の内に5回以上あると、この「睡眠時無呼吸症候群」に当てはまります。この症状になってしまうと、起きた時は体が重く、熟睡感がない。日中は強い眠気や疲労感に襲われ、集中力が続かないといった影響が出てしまいます。さらに、高血圧と合併してしまうと脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクが高まる恐れがあると言われています。たかが「いびき」と言って放っておくと、後々に取り返しのつかない状態になってしまうかもしれません。
「いびき」のセルフチェック!自分の「いびき」を確認。
前述しましたが、世の中の30%の人が自分が「いびき」をかいているのかわからない状態にあります。まずは自己認識が必要です。特に朝起きた時に、口が乾燥している、喉に痛みを感じる、という人は「いびき」が原因の可能性があるので、要セルフチェックです。
同居している人がいる方は、寝ている時に「いびき」をかいているかどうか、またかいている時の状態を動画で撮ってもらうことが一番わかりやすく良い方法だと思います。もし、自分しかいないのであれば以下のアプリを使うことをオススメします。
世界中で使われている人気のアプリ。眠る直前に就寝開始時間を設定し、スタートボタンを押すだけと操作は簡単。設定した時間から録音がスタートされます。
課金なしの利用だと録音回数に制限がありますが、自分が「いびき」をかいているか、どのような「いびき」なのかを認識するためだけであれば無料で十分利用可能です。枕元に置いて寝て、起きたらアプリを止める。アラーム機能もあるので、目覚まし時計代わりにも使えます。
このほかにも、「寝言・いびき録音アプリ(Android)」や「ねごと・いびきレコーダー(iPhone)」といったアプリもありますので、使い勝手が良さそうなものを選んでぜひトライしてみてください。
「いびき」の効果的な予防・治療方法!
普段の生活習慣の改善から予防・対策グッズによる改善策、そして通院による治療についてご紹介します。
生活習慣改善による予防・対策
① 寝姿勢を変える
「いびき」はあおむけで寝たときに、重力で舌が喉の方に下がり、気道が狭くなることが原因の1つです。ですので、うつ伏せや横向きの姿勢で眠るだけでも改善が期待できます。抱き枕を抱えて眠ることで姿勢を横向きに変えるというのも効果的です。
② 口呼吸を治す
多くの人は無意識に鼻呼吸をしていますが、睡眠中は口呼吸になってしまうという人もいるようです。口呼吸は多くのウイルスを吸い込み身体に害をもたらすので、「いびき」に関わらず治すことがベスト。口の筋力不足が口呼吸の原因の1つなので、歯ごたえのあるものを食べたり、ガムを噛んで鍛えることで解消が期待されます。また、マスクをして寝ることも効果的です。
③ アルコールを控える
アルコールを飲んだ後は、寝ている時に舌が喉の奥に下がりやすくなるのでお酒を控えることも「いびき」の軽減に効果があると言えます。
④ ダイエット
肥満は喉の気道を狭くする原因の1つ。肥満が解消されると気道が確保されるので、「いびき」の軽減、解消に繋がることが期待できます。
⑤ 枕を取り換える
枕の高さが高い・低い、このどちらも「いびき」の原因になります。ある研究所の発表では、枕を適切な高さに合わせたら「いびき」はピタリと止まり、わずか5mm低くするとまた「いびき」が始まるというデータがあります。「整形外科枕」では、自分に合った高さの枕をオーダーメイドで作ることが可能です。
⑥ いびきサプリメントを飲む
寝る前に飲むだけで「いびき」が解消できるサプリメント「サイレントナイト」。摂取することで睡眠中の呼吸をスムーズにし、「いびき」の発生を抑えます。満足度は95%と非常に高評価。自宅だけでなく、旅行先でも使いやすいので、オススメの1つです。
関連記事:いびき防止サプリ人気ランキングBEST5!口コミや効果の高いモノを厳選。
グッズ利用による予防・対策
① 鼻孔拡張テープ ブリーズライト
販売サイト:楽天市場
鼻の通りを良くし、鼻づまりによる「いびき」の軽減が可能。レギュラーサイズ30枚入りで約1,500円(楽天市場参考)鼻につけて寝るだけなのでとても簡単なので、鼻づまりのある方にはオススメです。
② 口呼吸防止テープ ねむるん
販売サイト:楽天市場
口にテープを貼って口呼吸を封じるテープです。ねむるんを貼り、横向きに眠ることで鼻呼吸+気道の確保ができて、「いびき」の軽減に効果が期待できます。30日分で1080円(楽天市場参考)
③ 顎固定サポーター
販売サイト:楽天市場
頭や耳と顎を固定し、口呼吸を防ぐサポーターです。口呼吸が改善され、「いびき」の予防が期待できます。さまざま商品がありますが、参考価格は約1,000円。
④ セレブリーズ
販売サイト:楽天市場
「ねむるん」と同じく、口にテープを貼って口呼吸を封じ、鼻呼吸を促すグッズです。セレブリーズを貼って横向きに眠る、を3週間繰り返すことで、鼻呼吸が習慣づけられ「いびき」の予防が期待できます。30日分で680円(楽天市場参考)
⑤ Mute
販売サイト:Amazon
シリコン製のノーズピンです。鼻に差し込んで鼻腔を広げ、スムーズな鼻呼吸をサポートします。水洗い可能なので、1度購入すれば何度でも使用可能。8個セットで800円(Amazon参考)
⑥ ネルネル
販売サイト:楽天市場
「ねむるん」、「セレブリーズ」同様、口にテープを貼って口呼吸を封じ、鼻呼吸を促すグッズです。21回分で約700円(楽天市場参考)
通院による治療
耳鼻科、呼吸器科、睡眠外来といったところで、「いびき」や睡眠時無呼吸症候群の検査・治療に対応しています。気道を塞ぐ軟口蓋(のどちんこ)の一部を切除するような手術なども「いびき」の改善策の1つにあります。病院で検査を行い、医師にベストな解決策を相談することが「いびき」改善の1番の近道かもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
実は私自身、疲れが溜まっている時や飲酒した後に「いびき」をかくことがあるようですが、正直自分で自分の「いびき」に気が付いたことはありません。「いびき」はうるさく、騒音で一緒に寝ている人に迷惑をかけてしまうだけでなく、自分自身の身体に知らず知らずの内ににダメージを与えている恐れもあります。
自分で気付けない人も多くいる厄介な症状、気付けたのであればラッキーです。上記のように手軽にできる予防策はたくさんありますので、「いびき」をかいている方は早急に対応を講じましょう。