尿酸値の落とし方!健康診断後、今すぐ対策を打つと効果的な7つの方法!
会社の健康診断で「尿酸値が高い」と指摘される働き盛りの男性が急増しており、診断結果の尿酸の異常値を見て、驚いた人が少なくないと思います。
生活習慣の欧米化に伴い、30~50代の男性の3~5人に1人は尿酸値が高い痛風予備軍といわれる時代になっているのです。尿酸値が高いままに放置すると、痛風を始め、さまざまな病気を併発するリスクが高くなります。
ここでは、尿酸って何なのか、尿酸が高い原因は何か、尿酸値が高いと何が起こるのか、尿酸値の落とし方はどうすればいいのかを解りやすく説明していきます。
Contents
健康診断で「尿酸値」が高いという結果が。。
健康診断で「尿酸が高い」と注意されたけれど、耳慣れない「尿酸」とは、いったい何なのでしょうか。
尿酸はプリン体という物質が肝臓で代謝されるときにできる老廃物、いわば燃えカスのゴミです。尿酸の原料となるプリン体は生物の遺伝子(DNA・RNA)の核酸の構成要素なので、あらゆる動植物の細胞内に存在しており、食事によって体内に取り込まれます。
また、古い細胞が体内で新陳代謝によって壊されるとき、細胞核の構成物質であるプリン体が核から放出されて分解され、新しい細胞核の原料として再利用されます。このときに余分に産生されるものが尿酸です。
他にも、生物が身体活動を行うときのエネルギー源になるATP(アデノシン三リン酸)が分解されるときにも尿酸ができます。エネルギー消費で分解されたATPは通常では再利用されますが、過激な運動などでATPが多量に使われると、再利用が間に合わずに分解が促進され、尿酸が増加するのです。
つまり、プリン体は動植物の生命活動に不可欠の物質であり、体内で常に代謝されているのです。それは、つまり同時に尿酸も肝臓内で産生されることを意味しています。
ヒトの体内で1日に生産される尿酸は約700 mgといわれています。作られた尿酸は血液に溶けて腎臓へ運ばれて再利用のために吸収されますが、過剰な余った尿酸は、大半が尿から、一部が汗や便から排出されて捨てられます。このシステムで体内の尿酸量は一定量(約1200mg)のバランスが保たれているのです。
ところが、尿酸がきちんと腎臓から排出されないとき、もしくは体内の尿酸産生が過剰になったときに、血液中の尿酸が増加して尿酸値が高くなります。たとえば、ゴミ回収車がストをしたり、ゴミが増えすぎて回収が追いつかなかったりして、家庭から出されたゴミが道路に溢れ出すような状態になるのです。
血中尿酸値の平均値は、男性4.0~6.5 mg/dL、女性3.0~5.0 mg/dLであり、7.0 mg/dL以上になると高尿酸値血症と診断され、尿酸値を落とすように注意を受けます。
尿酸値に男女差があるのは、尿酸産生には女性ホルモンが関係しているからといわれています。そのため、高尿酸値血症患者の9割以上は男性です。
尿酸値が高いとどうなるの?
尿酸値が高くなった初期には身体症状が現れることはありませんが、そのまま放置すると、さまざまな病気や合併症を引き起こす原因になります。
① 痛風
高尿酸血症の人が高確率で経験するのが「痛風」です。打撲や捻挫の記憶がないのに、突然に手足の関節が熱をもって赤く腫れ上がり、身動きすらできない激痛に襲われます。その名の通り、風が吹いても痛いという痛風発作です。
痛風発作が起こる原因は結晶化した尿酸塩です。血中濃度7.0 mg/dL以上の高尿酸血症が長期間続くと、飽和状態になって血液中に溶けきれなくなった尿酸がギザギザの結晶として析出し、徐々に関節にたまっていきます。
そして、何らかの刺激で剥がれ落ちた結晶が関節の滑膜を傷つけ、白血球の免疫細胞が結晶を異物と認識して攻撃し、急性の関節炎を引き起こすのです。
痛風発作の発症部位は、足の親指の付け根が最も多く、その他、くるぶし、かかと、足の甲など下肢で全体の9割を占めます。肘や手首、指の関節にも起こりますが、股関節などの大きな関節で起こるケースは殆どありません。
痛風発作を起こしたら、応急処置として患部を湿布や氷嚢などで冷やし、速やかに専門医の診察を受けてください。横になって患部を心臓よりも高い位置に維持すると痛みを和らげることができます。患部のマッサージ、アスピリン系鎮痛剤の服用、飲酒、入浴や温湿布は痛みを悪化させるので避けましょう。
痛風発作の激烈な痛みは24時間がピークで、特別な治療をしなくても白血球が死滅する1~2週間で嘘のように自然に収まります。しかし、尿酸値を落とす対策をせずにいると、痛風発作の再発を何度でも繰り返します。痛風が慢性化すると、関節が変形して痛風関節と呼ばれる瘤ができ、関節が曲げにくくなって日常生活に支障が出ることもあります。
② 尿路結石・腎臓結石
尿酸は腎臓を通って排出されるため、尿酸の結晶化は腎臓でも頻繁に起こります。水分摂取量が減ったり、大量の汗をかいたりして、尿中の尿酸濃度が高くなって、腎臓や尿路で結晶が固まって結石を作ります。石は尿が酸性のときに固まりやすいため、尿が酸性に傾く傾向が多い高尿酸血症患者には結石ができやすいのです。
結石が腎臓にできても自覚症状がないのですが、腎臓から尿路へ結石が移動したり、尿路内で結石ができたりして尿管が詰まると、脇腹から背中にかけて七転八倒する痛みを伴います。吐き気がして蒼白になり、失神する人もいます。
小さい結石の場合は、鎮静剤と排石剤の薬物を服用し、経過観察して石が尿と一緒に自然に排出されるのを待ちますが、10 mm以上の大きな結石で自然排出が困難なときは、衝撃波やレーザーで石を砕く手術が必要になります。尿管に大きな結石が詰まって排尿ができなくなると、最悪の場合は尿毒症を起こして死亡することもあります。
③ 慢性腎不全
尿酸塩結晶の沈着が腎臓全体に進行すると、「痛風腎」になって腎臓がうまく機能しなくなります。腎機能が低下すると、尿から排出される尿酸量が低下し、血中の尿酸値が上昇して、腎臓での尿酸塩沈着が加速するという悪循環を起こします。
腎臓は自覚症状が少ないので、気がつかないうちに慢性化して腎不全を起こしやすい臓器です。慢性腎不全になってしまうと、1回4~5時間の拘束時間の長い人工透析を週2~3回の頻度で一生続けなければならず、大変不便な生活になります。そして、腎不全は腎臓の機能低下で血液の浄化ができず、透析を怠ると尿毒症になって死亡するという厄介な病気です。
④ その他の合併症
高尿酸血症は肥満と密接な関連があるので、尿酸値が高い人は、脂質異常症、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病を併発しているケースが多いです。
尿酸や脂肪を大量に含んでいる血液は、いわばドロドロの血液であり、血流が悪くなって血管内で血液が停滞し、動脈硬化を進行させます。よく知られているように、動脈硬化は脳卒中や心筋梗塞などの致命的な病気を引き起こす原因になります。
高尿酸血症や痛風は命に関わる病気ではないのですが、尿酸値が高ければ高いほど、結晶沈着が進行して、いろいろな合併症を引き起こすリスクが高くなります。健康診断で注意されたら、症状がないからといって安易に放置せず、すぐに医師に相談して尿酸値を落とす対策を行いましょう。
尿酸値が高くなってしまう原因とは?
尿酸値が高くなってしまうのは、遺伝や生活習慣の乱れなどさまざまな原因が関係しています。ここではその原因についてまとめてみました。
① 遺伝
最近の研究で、腎臓から尿酸を排泄する能力は尿酸トランスポーターというタンパク質の働きに左右されており、遺伝が関係していることが判ってきました。特定の遺伝子を持っていてトランスポーターの能力が生まれつき弱い人は、尿酸値が高くなりやすく、痛風を発症しやすいのです。遺伝を変えることはできないので、若いうちから生活習慣に気をつけて尿酸値をコントロールすることが肝要です。
② 食生活
痛風が貴族の贅沢病と呼ばれてきたように、食生活と尿酸値の関係は古くから知られています。プリン体の多い肉や魚などの食品を大量に摂取すると、当然のことながら尿酸が大量に生産され、血中尿酸値が高くなります。実際、痛風患者は大食漢の美食家で、酒好き・肉好きの肥満体の人が多いです。
また、アルコールは尿酸値を一時的に上昇させます。摂取したアルコールが分解されて尿酸が産生されること、アルコール分解時にできる乳酸が尿からの尿酸排泄を阻害する作用をもつこと、ビールや紹興酒などのアルコールはプリン体を多量に含有していること、アルコールの利尿作用によって血中の尿酸が濃縮されることが原因です。
③ 激しい運動
短距離走や筋トレなど、息を止める激しい無酸素運動は尿酸値を一時的に急上昇させます。身体の新陳代謝が促進されて細胞が壊され、プリン体が放出された結果、尿酸が産生されるからです。
そして、大量の発汗で血液が凝縮されることが尿酸上昇の拍車をかけます。運動をするなら、過激なスポーツは避けて、ウォーキングやゴルフなどの有酸素運動をしてください。
④ ストレス
仕事でのプレッシャーや家庭のトラブルなどの精神的なストレスが尿酸値を上げる要因になることは疫学調査で知られていましたが、最近のネズミを使った研究で、プリン体の代謝を促進するxanthine oxidoreductase (XOR)という酵素がストレスによって活性化されて尿酸が増加する仕組みが解明されました。
負のストレスだけではなく、結婚式やゴルフコンペなどの正のストレスでも尿酸値を上昇させて痛風発作を起こしやすくなるので、高尿酸血症の人は大きなイベントの前には注意が必要です。
⑤ 病気や薬の影響によるもの
腎臓の機能が低下する疾患や一部の血液の病気では尿酸値が上昇することが報告されています。また、悪性腫瘍で尿酸が大量に産生されて尿酸値が上昇する場合もあります。
利尿剤、喘息治療薬、抗結核剤、免疫抑制剤、アスピリンなどの薬剤には尿酸値を上げる作用をもつものがあります。持病で薬を服用している人は必ず医師に確認してください。また、健康食品の中には尿酸の原料となる核酸成分を大量に含んだ製品があるので注意が必要です。
尿酸値の落とし方!早めに気付いて、早めの対策を。
尿酸値が高いと言われたら、放置しておくと体の不調や病気につながる可能性が高くなります。早めの対策が重要です。ここでは尿酸値の落とし方についてまとめました。
① 肥満の解消
肥満と高尿酸血症には密接な関連があり、体重が増加すれば尿酸値が上がり、体重が減少すれば尿酸値が下がることが科学的に証明されています。つまり、摂取カロリーを減らして肥満を解消すれば尿酸値を下げられるというわけです。
肥満解消に最も効果があるのは、運動と食事制限であることはご存知の人が多いでしょう。多忙でジムに通う暇がない人でも、自転車通勤にする、1つ手前の駅で下りて歩く、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使う、昼休みに散歩がてらのウォーキングをするなどの努力をして、日常生活に1日30分程度の軽い運動を取り入れましょう。
② 食べすぎない
大食い・早食いは肥満になりやすく、尿酸値の大敵です。食べすぎて摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、中性脂肪が体内に蓄積されて皮下脂肪や内臓脂肪になります。特に内臓脂肪が増えると、インスリンの働きが悪くなって血糖値が下がりにくくなり、腎臓からの尿酸排出が阻害されるのです。これはインスリンン抵抗性という作用です。
だから、腹八分目にすること、一汁三菜の栄養のバランスの取れた食事を三食きちんと食べることが基本です。外食が多い人は、肉や魚などのプリン体の多い食材や脂っこいものをできるだけ避け、野菜や豆腐などのプリン体が少ない食事をするように心がけてください。
③ 乳製品を積極的に摂る
牛乳に含まれるカゼインには尿酸値を落とす効果があることが研究で確認されています。尿酸値を落とすために、毎日コップ1杯の牛乳を飲むようにしましょう。摂取カロリーを考えると低脂肪乳のほうが好ましいです。牛乳が苦手な人はヨーグルトなどの乳製品でも同じ効果が得られます。間食のスナックやお菓子をヨーグルトに変えてもいいでしょう。
④ アルカリ性の食品を積極的に摂る
尿酸はアルカリ性の液体に溶けやすいため、尿を弱アルカリ性にする食品(ワカメ、コンブ、ヒジキ、サツマイモ、ゴボウ、ニンジンなど)を多く摂取すれば、尿酸が尿に溶けやすくなって腎臓からの排出を助けることができます。また、尿が酸性になると結石ができやすいので、弱アルカリ性の尿は腎臓結石や尿路結石を予防することにもなります。
レモンや梅干しなどに含まれるクエン酸は、体内でアルカリ性に変化するので尿酸の排泄促進に効果があります。市販のクエン酸結晶でクエン酸水を自作すれば廉価で手軽ですし、黒酢の飲料を飲んでも同じ効果が得られます。酸っぱいものが苦手な人は医師にクエン酸剤を処方して貰いましょう。
⑤ 水をたくさん飲む
尿酸値を落とす最も効果的な飲物は水です。飲水量を多くして尿量を増やせば、尿からの尿酸排泄を助けることができるからです。アルカリイオン水などの特別な水は必要なく、普通の水道水で大丈夫です。
1日2L以上を目安にして、コップ1杯ずつ数回に分けて、充分な量の水を飲むようにしましょう。緑茶や麦茶、ウーロン茶などでも代用することができます。ジュースや清涼飲料水は糖分が多く、尿酸値を上げるので飲みすぎないようにしましょう。
⑥ アルコールを控える
高尿酸血症の人にアルコールは禁物です。とりわけプリン体含有量の多いビールと紹興酒は避けるべきです。前述したように、アルコール自体に尿酸値を上げる作用があるので、プリン体ゼロのビールでもNGです。ウイスキー、ブランデー、焼酎などのプリン体の少ない蒸留酒であっても、カロリーが高いため、飲みすぎると尿酸値に影響します。
禁酒が最良の手段なのですが、禁酒するのが難しい人は、飲酒量を減らし、週に2回以上の休肝日を設けることを目指してください。毎日飲む人は休肝日を設けた人よりも尿酸値が高くなるという研究結果があるからです。1日の飲酒量の目安は、日本酒は1合、ビールはロング缶1本、ワインはグラス2杯、焼酎はお湯割り1杯、ウイスキーはダブル1杯のいずれかです。
⑦ 尿酸を落とす効果が期待できるサプリを飲む
外食が多くて食生活の改善が難しいときは、サプリメントで対策をするのも一つの方法です。たとえば、魚由来のアンセリンというタンパク質は、プリン体の再吸収を促進して尿酸値を落とす効果があります。
また、中国で昔から漢方薬として使われてきた薬用人参に豊富に含まれるサポニンには、脂肪蓄積を抑え、血中コレステロール値を下げて血流を改善する作用があります。
中国原産の漢方薬である田七人参を日本で有機栽培した白井田七は、サポニン、ミネラル、ビタミン、葉酸が豊富に含まれており、肝臓の機能と免疫力を高めて肥満を解消し、尿酸の排出を助けるのに役に立ちます。
白井田七は、特別価格キャンペーンを実施中、3980円で購入できます。効果に満足しなければ15日間の返金保証も付いているので、リスクなくお試しできます。
痛風に効くサプリメントについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
関連記事:痛風に効くサプリ7選!普段の食事にプラスして手軽に痛風予防・対策を。
尿酸値は自然に下がることはない!
高尿酸血症は自覚症状がないので、健康診断で指摘されても「いずれ下がるだろう」と気楽に考えて、忙しさに紛れて放置されがちです。
しかし、原因となる肥満や食生活の改善などの対応をせずに、尿酸値が自然に下がることはありません。痛風発作や尿路結石の痛みに見舞われてから慌てて病院へ駆け込み、長期間放置したことを悔やむ人が多いのです。
痛風や合併症を予防するには、高尿酸血症が起こる仕組みを理解し、食事療法や薬物療法でしっかり対策することが重要です。食生活を見直してアルコールの量を減らす、ダイエットや運動を行って体重を減らすなどの生活習慣の改善を心がければ、薬を使わなくても尿酸値を落とすことが可能なのです。
病院に頼らず自力で痛風を何とかしたい方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
関連記事:痛風を自力で治す方法!病院に頼らずに自分でできる改善策10選。
まとめ
尿酸値が高いから、肥満解消のダイエットや運動に取り組みたいと思っていても、なかなか時間を割けないのが働き盛りのサラリーマンの辛いところです。しかし、忙しいからと尿酸値が高いまま長期間の放置を続けると、さまざまな生活習慣病や重篤な疾病を引き起こすことになりかねません。
尿酸値を落として痛風を予防する最善の方法は、食生活を見直し、生活習慣を改善することです。長年の習慣を変えることは難しいものですが、できることから一つずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。